あるところに大きな大きな森がありました。
 その森にはウサギの曹操が住んでいます。曹操はいつも、この森全部を自分のものにしたいなあと
思っていました。
 でも、自分は力も弱いし小さいし。
 だから曹操は、力の強い動物を味方につけることを考えつきました。
 まず最初に曹操の味方になってくれたのは、賢いキツネの郭嘉でした。
「郭嘉は賢いから、森の動物を全部味方につけられるよね」
「いいえ、曹操さま。みんな曹操さまがウサギだというのを知っていますから、森の動物の中には
曹操さまを軽んじているものもいます。もっともっと強い動物を、そしてたくさんの動物を味方に
せねばなりません」
「でも、どうしたらいいかわからない」
「では私は、知り合いのキツネたちに声をかけてみましょう」
 郭嘉が去ってから、曹操は森の中をひとりで歩いていました。すると茂みの中からのっそりと姿を
現したものがあります。
「と、トラだぁ…」
 トラの許チョはしばらく曹操をじいっと見つめたあと、にっこりと笑いました。
「かわいいウサギさんだぁ。こんなところでなにしてる?」
 かわいいと言われて曹操はちょっとだけムッとしましたが、すぐに気を取り直して自分の夢を
話しました。
「ふうん。じゃあオイラがこれから曹操さまの馬になってやるよ。オイラの背中に乗りなよ」
 大きな許チョの背中はとっても乗りやすかったし、許チョの背中にいると森の動物はほとんどが
許チョを恐がって逃げてしまうので、曹操はとてもいい気分でした。

 ある日のこと。
 曹操は味方集めを郭嘉に任せ、許チョと一緒に森の中で昼寝をしていました。
「曹操さまが起きたときのために、オイラが食べ物を取ってきておいてやろう」
 心の優しい許チョは曹操を起こさないように、そうっとその場を離れました。目が覚めて
びっくりしたのは曹操です。
「許チョ? どこいったの?」
 半分寝ぼけて曹操は許チョを探します。やがて森の奥へと足を踏み入れてしまいました。
「ほぉ…惇兄、美味そうなウサギがきたぞ」
 以前郭嘉が森の奥はオオカミの棲みかだと言っていたのを思い出します。
 オオカミの夏侯淵に声をかけられたオオカミの夏侯惇は、億劫そうに振り向きました。
「ん…?」
「せっかくだが俺は今腹がふくれてる。このウサギは惇兄に譲るさ」
 そう言って夏侯淵は茂みの中に姿を消しました。夏侯惇はのっそりと立ち上がり曹操の前にやってきました。
食べられてしまうかもしれないと思うのですが、夏侯惇に見つめられると恐くて逃げ出すことができません。
「確かに…美味そうだ」
 夏侯惇は長い舌をだらりと出して曹操を見ています。そのときになってようやく曹操はくるりと回れ右を
したのですが、夏侯惇の動きのほうが一瞬早く、曹操のシッポを押さえていました。
「わああん、離せ、離せえっ」
「そうはいくか。久しぶりの獲物だってのに」
 曹操のぽむぽむとしたシッポはなかなかの手触りです。しかも…曹操はシッポをつかまれると
弱いのでした。
「おシッポ、触るなっ」
 曹操は半分ベソをかきながら夏侯惇を振り向きます。
「ずいぶん生意気な口をきくな…このシッポ、ガブリと食いちぎってやろうか?」
「わああっ、た、食べちゃダメっ!」
 長い耳を折って曹操はぶるぶると震えています。夏侯惇はそんな曹操を見るうちだんだんとかわいく
思えるようになりました。
「じゃあ俺の言うことをきいたら食わないでやろう」
 曹操は隠していた頭を上げました。
「ほ、ほんとに?」
「ああ、ほんとだ。こっちを向きな」
 夏侯惇は曹操の頭を抱えると自分の股間に近づけました。
「お前のかわいい口で満足させられたら逃がしてやろう。ただしちょっとでも噛もうなんて気を
起こしたら…お前の頭をガブリとやるからな」
 覚悟を決めた曹操が夏侯惇の男根を愛撫します。ご自慢の前歯が当たらないよう十分に注意しながら…。
曹操の耳にかかる夏侯惇の息が荒くなっていくのが聞こえました。
(満足ってどうしたらしてくれるのかな。これ、だんだんと大きくなっていくけど、口の中で
どうなるのかな…)
 やがて曹操は頭をつかんで引き剥がされました。
 これで逃がしてもらえるのでしょうか。でも夏侯惇の前足は曹操を押さえ込んだままです。
「あ、あの…」
「壊れるかもしれんがこれ以上我慢できんからな」
 意味のわからないことを言って曹操の背中を押さえつけると、夏侯惇は曹操のシッポをいじくり
まわしました。
「やああん! やだ…やだぁっ!」
 ふっくらとしたシッポの下、隠れている小さな菊門を夏侯惇の指がとらえます。やがて指よりもっと
熱いものが押し当てられました。
「わああっ!」
 身体がふたつに裂けそうです。痛みに泣きじゃくる曹操の身体を抱えあげると、夏侯惇は手を回し
柔毛の中に曹操の男根を見つけました。
「やだやだ…触るなっ」
「お前がかわいいからいかんのだ」
 お腹の中で熱いものが暴れています。曹操は気が遠くなっていきました。

 目を開けるとすぐ前に夏侯惇の顔がありました。曹操はあわてて起き上がり頭を隠します。
「や、約束だから、食べちゃダメだいっ」
「食わん食わん。それよりお前、寝言で森のことをいってたな」
「う、うん…森の、王さまになりたいんだ…」
 夏侯惇はしばらく曹操を見つめていましたが、やがて起き上がると曹操を自分の背中に乗せました。
「ど、どこいくの?」
「お前の仲間のところへ連れていってやる。それから俺と淵もお前の夢の手助けをしてやろう」
 こうして夏侯惇と夏侯淵を仲間にした曹操は、郭嘉と許チョのところへ戻ってきました。
 曹操が本当に森の王さまになるお話はまた今度。
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